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第14節 フウガドールすみだ戦マッチレポート「凱旋試合で劇的な勝利」

2019.08.29

コラム

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名古屋オーシャンズ

8月23日(金)、Fリーグ2019/2020ディビジョン1 第14節、フウガドールすみだとのアウェイゲームに臨んだ名古屋オーシャンズは4-3で勝利。残り49秒の劇的な勝ち越しゴールで、20日ぶりの試合を飾った。

クラブ選手権で大活躍のペピータが圧巻のパフォーマンス


3年ぶり4度目のアジア王者となったAFCクラブ選手権決勝から中5日の試合、連戦からくる疲労によって、選手の体は重く、プレーにキレが見られなかった。その意味でも、相手をいなせずにフィジカルコンタクトが増えた立ち上がりから相手に主導権を渡してしまうと、5分、自陣左でボールを持った吉川智貴が、背後からのプレスでロストして、先制点につなげられてしまう。

その後、徐々に盛り返したオーシャンズは15分、中央左のペピータがが見事なテクニックで2人を交わして右サイドでシュートを放ち、ゴレイロに弾かれたところを安藤良平が詰めて同点に追いつくことに成功した。



同点で迎えた後半はオーシャンズのペースで試合を進めると、24分、ハーフ付近のラファからの鋭いパスを受けた前線の星翔太が、トラップと同時に反転する巧みな体さばきから豪快なボレーを突き刺して勝ち越し。28分に、左サイドからのシュートが安藤の体に当たってコースが変わる不運な失点を許してしまうが、31分、再びペピータが圧巻のパフォーマンスを披露。自陣右サイドからドリブルを開始すると、追いすがる相手に競り勝ちながら突き進んで、ラストは正面左45度から右サイドネットを射抜くシュートで3-2とした。

「ファンの皆さんは十分満足してもらえたと思います。両チームともに勝つ可能性のあるゲームでしたが、今日は私たちに運も転がってきた。上位チームの対決にふさわしいゲームだった」

フエンテス監督がそう振り返ったように、この試合はホームの声援の後押しと、前回2-15で大敗したリベンジマッチとして燃えるすみだが、最後まで食らいついてきたことで苦戦した。

34分、5ファウルを貯めてしまった直後、ゴール前を崩されて失点。試合は三度、振り出しに戻った。試合終盤、1点を争う緊迫感の中で、フエンテス監督は残り3分で、ペドロ・コスタ前監督を思わせるような「同点の状況からのパワープレー」を選択。これは当然、ボールをキープすることで6つ目のファウルを犯さないことも狙いの一つにあるが、何よりも「(失点の)リスクも感じていた。主力選手の人数も限られていたので、一度、息を整え、ゲームを落ち着かせたかった」(フエンテス監督)ことが大きな狙いだった。



その意図を汲み取ったゴレイロのペピータ、吉川智貴、西谷良介、ラファ、星翔太の5人は、焦ることなく冷静かつ虎視眈々と“仕留めどころ”を狙い澄ましていた。そして残り49秒、左手前の西谷から奥の星翔太に縦パスが送られるタイミングでペピータが中のスペースに侵入。星翔太からダイレクトの折り返しを受けたペピータがさらにダイレクトでファーのラファに流して、ほんの数秒で勝ち越し点を奪取。残り時間の相手のパワープレーでは、負傷交代していた星龍太(26日に、右膝内側側副靭帯損傷、脛骨・大腿骨骨挫のために全治約3カ月の見込みと発表)に変わって笠井大輝がピッチに立って守備に奔走するなどしのいでみせた。

この試合は、オーシャンズにとって8月に入ってから8試合目。実に2.5日に1試合という超ハイペースかつ過密日程のなかで戦う苦しい状況だったが、王者の意地を見せる形で凱旋試合を締めくくった。



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