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名古屋オーシャンズ
9月7日(土)、町田市立総合体育館で行われたFリーグ2019/2020ディビジョン1の第16節、名古屋オーシャンズはバルドラール浦安に6-1で勝利した。
「ゲームの立ち上がりである程度試合を決められたのかなと思います」
この試合に関しては、吉川智貴の言葉が全てだろう。開始5分で4-0とした時点で、試合の勝敗は決した。
ゴールラッシュの口火を切ったのは、AFCクラブ選手権から覚醒が止まらないペピータだった。キックオフから43秒、自陣からカウンターで持ち上がると、吉川とのワンツーからうまくゴールに流し込んだ。
2点目はそれから19秒後、右サイドでボールを持った相手選手を囲んで奪うと、ラファがゴール中央にドリブルで運んで迷わずシュート。左足から放たれた弾道は日本代表経験のあるGK藤原潤の壁を突き破った。
ブラジル人選手2人に続いたのは橋本優也だ。ピッチを広く使ったパス回しから右サイドでフリーになった橋本が受ける。豪快に右足を振り抜き、ゴール右隅の神コースに叩き込んだ。
4点目はフリーキックから。ゴール正面の位置でペピータが左奥のヴァルチーニョにボールを出す。絶妙なタイミングで西谷良介がブロックをかけてフリーにさせると、10番は角度のない位置から狭いコースを通した。
「まず、入りが非常に良かったです。先制点をとれて、流れを作れて、それが今日の試合のポイントになりました」
フエンテス監督が「入りの良さ」を勝因に挙げたように、この日のオーシャンズはキックオフから攻守にアグレッシブだった。とりわけ効果的だったのが浦安の「クワトロ封じ」だ。
「浦安は4-0が得意なチーム、パス&ムーブで全員が連動して動くチームです。私たちがついていくことによって生まれた“穴”に入ってきます」
浦安はクワトロと呼ばれるシステムでパスを回してくる。4人が横に並んで素早くボールを動かしながら、守備と守備のライン間にできるスペースでボールを受けて、数的優位を作ってプレスを突破するのが狙いだ。
クワトロを封じるため、フエンテス監督は守備におけるルールを選手たちに伝えた。
「1列目(のディフェンス)を残して、相手が入ってくるゾーンを管理する」
守備には主にマンツーマンとゾーンと呼ばれる形がある。マンツーマンは人を見るので、パスを出した後も、その選手についていく。ゾーンはスペースを管理するので、パスを出した選手が動けば、別の選手にマークを受け渡す。
浦安戦のオーシャンズが行なったのは、そのどちらでもない、「マンツーマンでありながら受け渡すディフェンス」だった。1列目の選手は、自分がマークしていた選手がパスを出した後に抜けた場合は、基本的に2列目、3列目の選手に受け渡す。
そうすることで、守備陣形を広げず、一定の距離を保つ。ライン間のスペースが狭くなれば、浦安の選手がパスを受けたとしても、素早く寄せに行けるので、オーシャンズのフィジカルコンタクトでの優位性を発揮しやすい。
星翔太によれば「マークの受け渡しには、ボールにどのぐらい寄せられているのかとか、自分の前を通るのか後ろを通るのかとか、チームの中で細かいルールがある」という。だから、すべてを受け渡すのではなく、1列目の選手がマンツーマンでついていく場合もある。
Fリーグでも屈指のレベルにある浦安のクワトロを、ほぼ完璧に封じることができたのは、選手たちが守備の約束事を共有し、遂行し続けたからだろう。
「相手が狙ってくるところを、うまく残して、防ぐという考えがあって、選手もそれに応えてくれました」
フエンテス監督は守備の出来に満足そうな表情を浮かべた。
前半終了間際にはキックインからヴァルチーニョが打ったシュートが、前にいた安藤良平に当たってコースが変わり5点目。5-0で前半を折り返した。
後半、浦安はキックオフからパワープレーを行ってきた。常に数的不利の状態でプレーしなければならず、ゲームのリズムを作るのが難しい。それでもオーシャンズは1失点に抑えるとともに、30分にはペピータがこの日6点目となるゴールを決めて突き放す。
6-1。攻守に隙を見せなかったオーシャンズのまさしく完勝だった。
1列目を残して受け渡す
「ゲームの立ち上がりである程度試合を決められたのかなと思います」
この試合に関しては、吉川智貴の言葉が全てだろう。開始5分で4-0とした時点で、試合の勝敗は決した。
ゴールラッシュの口火を切ったのは、AFCクラブ選手権から覚醒が止まらないペピータだった。キックオフから43秒、自陣からカウンターで持ち上がると、吉川とのワンツーからうまくゴールに流し込んだ。
2点目はそれから19秒後、右サイドでボールを持った相手選手を囲んで奪うと、ラファがゴール中央にドリブルで運んで迷わずシュート。左足から放たれた弾道は日本代表経験のあるGK藤原潤の壁を突き破った。
ブラジル人選手2人に続いたのは橋本優也だ。ピッチを広く使ったパス回しから右サイドでフリーになった橋本が受ける。豪快に右足を振り抜き、ゴール右隅の神コースに叩き込んだ。
4点目はフリーキックから。ゴール正面の位置でペピータが左奥のヴァルチーニョにボールを出す。絶妙なタイミングで西谷良介がブロックをかけてフリーにさせると、10番は角度のない位置から狭いコースを通した。
「まず、入りが非常に良かったです。先制点をとれて、流れを作れて、それが今日の試合のポイントになりました」
フエンテス監督が「入りの良さ」を勝因に挙げたように、この日のオーシャンズはキックオフから攻守にアグレッシブだった。とりわけ効果的だったのが浦安の「クワトロ封じ」だ。
「浦安は4-0が得意なチーム、パス&ムーブで全員が連動して動くチームです。私たちがついていくことによって生まれた“穴”に入ってきます」
浦安はクワトロと呼ばれるシステムでパスを回してくる。4人が横に並んで素早くボールを動かしながら、守備と守備のライン間にできるスペースでボールを受けて、数的優位を作ってプレスを突破するのが狙いだ。
クワトロを封じるため、フエンテス監督は守備におけるルールを選手たちに伝えた。
「1列目(のディフェンス)を残して、相手が入ってくるゾーンを管理する」
守備には主にマンツーマンとゾーンと呼ばれる形がある。マンツーマンは人を見るので、パスを出した後も、その選手についていく。ゾーンはスペースを管理するので、パスを出した選手が動けば、別の選手にマークを受け渡す。
浦安戦のオーシャンズが行なったのは、そのどちらでもない、「マンツーマンでありながら受け渡すディフェンス」だった。1列目の選手は、自分がマークしていた選手がパスを出した後に抜けた場合は、基本的に2列目、3列目の選手に受け渡す。
そうすることで、守備陣形を広げず、一定の距離を保つ。ライン間のスペースが狭くなれば、浦安の選手がパスを受けたとしても、素早く寄せに行けるので、オーシャンズのフィジカルコンタクトでの優位性を発揮しやすい。
星翔太によれば「マークの受け渡しには、ボールにどのぐらい寄せられているのかとか、自分の前を通るのか後ろを通るのかとか、チームの中で細かいルールがある」という。だから、すべてを受け渡すのではなく、1列目の選手がマンツーマンでついていく場合もある。
Fリーグでも屈指のレベルにある浦安のクワトロを、ほぼ完璧に封じることができたのは、選手たちが守備の約束事を共有し、遂行し続けたからだろう。
「相手が狙ってくるところを、うまく残して、防ぐという考えがあって、選手もそれに応えてくれました」
フエンテス監督は守備の出来に満足そうな表情を浮かべた。
前半終了間際にはキックインからヴァルチーニョが打ったシュートが、前にいた安藤良平に当たってコースが変わり5点目。5-0で前半を折り返した。
後半、浦安はキックオフからパワープレーを行ってきた。常に数的不利の状態でプレーしなければならず、ゲームのリズムを作るのが難しい。それでもオーシャンズは1失点に抑えるとともに、30分にはペピータがこの日6点目となるゴールを決めて突き放す。
6-1。攻守に隙を見せなかったオーシャンズのまさしく完勝だった。