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第19節 ペスカドーラ町田戦マッチレポート「指揮官の決断」

2019.10.04

コラム

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名古屋オーシャンズ

9月28日(日)、町田市立総合体育館で行われたFリーグ2019/2020ディビジョン1の第19節、名古屋オーシャンズはペスカドーラ町田に4-2で勝利した。

若い選手にチャンスを与える


また一つ、ハードルを超えた。Fリーグでも有数のタレントを誇る町田とのアウェイ戦。名古屋は日本代表に選ばれた4人をほぼ起用せずに勝ち切った。

フエンテス監督にとって、今回の町田戦をどんなメンバーで臨むかは大きなテーマだった。その前の週から日本代表合宿に関口優志、吉川智貴、西谷良介、星翔太の4人が参加。9月23、25日にはタイ代表との2連戦に出場していた。関口は1、2試合目ともに20分ずつ、吉川、西谷、星も主力セットに組み込まれて長時間ピッチに立っている。

チーム練習にしばらく参加できていないこと、肉体的にかなり消耗していること、アウェイで移動が発生すること……。あらゆる要素を加味した上で、指揮官は決断を下した。

「ここは若い選手にチャンスを与えよう」

町田のようにリーグでも上位の力を持つチームとの試合で、普段それほど出番がない選手を積極的に起用するのは、かなり勇気がいる。2位のバサジィ大分との勝ち点差は4。もしも、ここで勝ち点を落とすことがあれば、大分に肉薄されることになり「なぜ若手を使ったのか」と監督の采配に批判が集まってもおかしくない。それでも、フエンテス監督は迷わなかった。

「私たちのチームの若い選手も個性を持っていますし、自信を持って使えます。今日の試合は若い選手を使って、しっかりと結果にもつなげるような試合にしよう、自信を持って、割り切って、今日は行こうと考えていました」

オーシャンアリーナで練習する日々で、若い選手たちがどれだけ真摯に取り組んでいるか、どのぐらいのポテンシャルを持っているのか。それを誰よりも近くで見てきているからこそ、「このメンバーでも行ける」という確信があったのだろう。そして、選手たちは見事に期待に応えた。



キックオフからわずか1分21秒後、高い位置でパスカットしたペピータからのパスを橋本優也がゴール前で押し込んで先制する。さらに30秒後、安藤良平のボール奪取からカウンターを発動し、最後はペピータがGKイゴールとの1対1を決めて2点目。立ち上がりの連続得点で試合の流れを大きく引き寄せた。

8分には、大ケガからの復帰以来、最も多くの出場時間を与えられた八木聖人にゴールが生まれる。右サイドのペピータからの斜めのパスを、スライディングで合わせたゴールは、ケガをしていた選手とは思えないもの。このゴールは本人にとっても、完全復活を待ち望むチームにとっても大きなものだっただろう。



この試合では八木、笠井大輝、水谷颯真らが主力セットの一員としてピッチに立ち続けた。後半、町田が森岡薫、室田祐希、滝田学といった代表組を長時間出してきても、最後まで名古屋の強度が落ちることはなかった。ラファによる追加点も決まって4-2。アウェイで、普段とは違うメンバーで戦う中、しっかりと勝ち点3をとった。

「内容的にものすごく良かったゲームではないですが、勝ち点3をとれたことは良かったですし、次の試合につながる勝ちだったと思います」

代表戦でのケガの影響もあって、ピッチには立たなかったキャプテンの吉川智貴はシビアに振り返った。それでも、その表情はどこかうれしそうでもあった。翌週のかみすセントラルに向けて、日本で最も激しいチーム内競争がまた始まる。

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