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名古屋オーシャンズ
10月6日(日)、かみす防災アリーナで行われたFリーグ2019/2020ディビジョン1の第21節、名古屋オーシャンズは立川・府中アスレティックFCに7-0で大勝した。
24時間で気持ちを切り替えた。茨城県でのFリーグ初開催となった「かみすセントラル」の2日目、3日目に試合が組まれたオーシャンズは、前日のシュライカー大阪戦からちょうど24時間後にキックオフを迎えた。「昨日の引き分けを引きずっていたのか、立ち上がりはあまりよくなかった。ピッチも少し(ボールが)引っかかるような印象で、選手が気にしている場面があった」(フエンテス監督)と、相手に何本も決定機を作られる危うい序盤。しかし、思わぬ形で先制点を奪ってから一転した。
6分、ヴァルチーニョの中央のパラレラのパスに合わせたペピータがシュートを放つと、エリアを飛び出してきた相手ゴレイロ・田中俊則が手を使って阻止して一発退場。これで相手が1人少ない有利な状況になると、ボールを保持しながら直後のプレーで中央のヴァルチーニョが決めて先取点をゲットした。
いつもの流れを取り戻したオーシャンズは、ここから強さを見せた。
9分、自陣で左サイドのヴァルチーニョにパスを出したペピータが、相手DFを引き連れたまま前線へ抜けていくと、左のヴァルチーニョが、中央にできたスペースを横断する斜めのパスを西谷良介へ。すると西谷は、ゴール左に走り込むペピータのタイミングを計ってラストパスを送り、これをペピータがきっちり決めて追加点。
さらに直後のプレーでは、中央の西谷、右のヴァルチーニョ、左のペピータの3人のカウンターから西谷が決めて、一気に3点のリードを奪うことに成功。残り1分を切ったところで、中央のペピータからのパスをゴール前で受けたラファが、反転から左足で強烈なシュートを突き刺し、4点差として試合を折り返した。
この時点ですでに、“PWR砲”が決まっている。勝利はほぼ確実だった。
「PEPITA」「WALTINHO」「RAFA」の頭文字を取った「PWR」。ペピータがケガで1年を棒に振った2年前は、ヴァルチーニョ、ルイジーニョ、ラファの「WLR」、ラファがケガで離脱した昨年は、ペピータ、ヴァルチーニョ、ルイジーニョの「PWL」。この3年間だけを見ても、オーシャンズの助っ人外国人たちは、圧倒的な結果と“勝負運”をチームにもたらしてきた。
彼らは何度も3人そろってゴールを決めてきたが、「3人が決めた試合」で敗れたことは一度もない(そもそも、昨シーズンは無敗だが)。今シーズンもここまで6回の“トリオゴール”を決めて「勝率100%」を誇っている。余談だが、21試合を終えてヴァルチーニョ(26点)、ペピータ(25点)、ラファ(16点)と、3人で67点をマーク。1試合平均5.8点で122点を挙げるチームの半数以上を奪っている。現在、2016シーズンに大阪が打ち立てたレギュラーシーズン186点を上回るペースで、ゴールを量産し続けているのだ。
3人が決めれば負けない──。それはジンクスであると同時に、必然でもある。3人が決めるということは、それだけチームがいい流れを維持できているということ。よほど不測の事態でもない限り、オーシャンズのペースは揺るがないだろう。実際、この試合はその後、危なげのない展開のままタイムアップを迎えた。
後半、23分にペピータがGKにプレスを掛けてミスを誘い、31分には、高い位置で奪った安藤良平が、ラファとの連係から鮮やかに決めて6-0。さらに36分、パワープレーを始めていた相手からボールを奪った安藤が、後ろ向きでキープしてフリーの星翔太に預け、パワープレー返しで試合を締めくくった。
途中、30分、33分に獲得した第2PKは、キッカーの星翔太が、2本とも相手GK・茂呂翔也に防がれてしまうという失敗はあったものの、7得点完封という、これ以上ない結果を手にした。
「後半もスコアに満足せず、謙虚さを持って、昨日のミスを二度と起こさないように、守備も攻撃もしてくれた。点を奪えて、失点もゼロにできてよかった。(第2PKのキッカーに星翔太が名乗り出た際に、「いや、俺が行く!」という選手がいないかと問われて)あってもおかしくはないですが、ないですよ(笑)」
普段から冷静沈着なフエンテス監督は、試合後の記者会見でも、常に表情を変えることなく淡々と語る。しかしこの日は珍しく、少しの笑みをのぞかせるシーンがあった。チーム状態が確実に上向いている。リーグ1位でのプレーオフ進出、リーグ3連覇に向けて、準備が整い始めている。そう感じさせる、大勝だった。
2本の第2PK失敗を笑い話にできる、会心のゲーム
24時間で気持ちを切り替えた。茨城県でのFリーグ初開催となった「かみすセントラル」の2日目、3日目に試合が組まれたオーシャンズは、前日のシュライカー大阪戦からちょうど24時間後にキックオフを迎えた。「昨日の引き分けを引きずっていたのか、立ち上がりはあまりよくなかった。ピッチも少し(ボールが)引っかかるような印象で、選手が気にしている場面があった」(フエンテス監督)と、相手に何本も決定機を作られる危うい序盤。しかし、思わぬ形で先制点を奪ってから一転した。
6分、ヴァルチーニョの中央のパラレラのパスに合わせたペピータがシュートを放つと、エリアを飛び出してきた相手ゴレイロ・田中俊則が手を使って阻止して一発退場。これで相手が1人少ない有利な状況になると、ボールを保持しながら直後のプレーで中央のヴァルチーニョが決めて先取点をゲットした。
いつもの流れを取り戻したオーシャンズは、ここから強さを見せた。
9分、自陣で左サイドのヴァルチーニョにパスを出したペピータが、相手DFを引き連れたまま前線へ抜けていくと、左のヴァルチーニョが、中央にできたスペースを横断する斜めのパスを西谷良介へ。すると西谷は、ゴール左に走り込むペピータのタイミングを計ってラストパスを送り、これをペピータがきっちり決めて追加点。
さらに直後のプレーでは、中央の西谷、右のヴァルチーニョ、左のペピータの3人のカウンターから西谷が決めて、一気に3点のリードを奪うことに成功。残り1分を切ったところで、中央のペピータからのパスをゴール前で受けたラファが、反転から左足で強烈なシュートを突き刺し、4点差として試合を折り返した。
この時点ですでに、“PWR砲”が決まっている。勝利はほぼ確実だった。
「PEPITA」「WALTINHO」「RAFA」の頭文字を取った「PWR」。ペピータがケガで1年を棒に振った2年前は、ヴァルチーニョ、ルイジーニョ、ラファの「WLR」、ラファがケガで離脱した昨年は、ペピータ、ヴァルチーニョ、ルイジーニョの「PWL」。この3年間だけを見ても、オーシャンズの助っ人外国人たちは、圧倒的な結果と“勝負運”をチームにもたらしてきた。
彼らは何度も3人そろってゴールを決めてきたが、「3人が決めた試合」で敗れたことは一度もない(そもそも、昨シーズンは無敗だが)。今シーズンもここまで6回の“トリオゴール”を決めて「勝率100%」を誇っている。余談だが、21試合を終えてヴァルチーニョ(26点)、ペピータ(25点)、ラファ(16点)と、3人で67点をマーク。1試合平均5.8点で122点を挙げるチームの半数以上を奪っている。現在、2016シーズンに大阪が打ち立てたレギュラーシーズン186点を上回るペースで、ゴールを量産し続けているのだ。
3人が決めれば負けない──。それはジンクスであると同時に、必然でもある。3人が決めるということは、それだけチームがいい流れを維持できているということ。よほど不測の事態でもない限り、オーシャンズのペースは揺るがないだろう。実際、この試合はその後、危なげのない展開のままタイムアップを迎えた。
後半、23分にペピータがGKにプレスを掛けてミスを誘い、31分には、高い位置で奪った安藤良平が、ラファとの連係から鮮やかに決めて6-0。さらに36分、パワープレーを始めていた相手からボールを奪った安藤が、後ろ向きでキープしてフリーの星翔太に預け、パワープレー返しで試合を締めくくった。
途中、30分、33分に獲得した第2PKは、キッカーの星翔太が、2本とも相手GK・茂呂翔也に防がれてしまうという失敗はあったものの、7得点完封という、これ以上ない結果を手にした。
「後半もスコアに満足せず、謙虚さを持って、昨日のミスを二度と起こさないように、守備も攻撃もしてくれた。点を奪えて、失点もゼロにできてよかった。(第2PKのキッカーに星翔太が名乗り出た際に、「いや、俺が行く!」という選手がいないかと問われて)あってもおかしくはないですが、ないですよ(笑)」
普段から冷静沈着なフエンテス監督は、試合後の記者会見でも、常に表情を変えることなく淡々と語る。しかしこの日は珍しく、少しの笑みをのぞかせるシーンがあった。チーム状態が確実に上向いている。リーグ1位でのプレーオフ進出、リーグ3連覇に向けて、準備が整い始めている。そう感じさせる、大勝だった。
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