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プレーオフ決勝 第1戦&第2戦マッチレポート「12回目のリーグ制覇」

2020.02.03

コラム

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名古屋オーシャンズ




前日のロースコアがウソのようなゴールラッシュ


翌日の第2戦は1,889人が来場。オーシャンアリーナはまさに決勝の舞台に相応しい最高の雰囲気で包まれ、観客は今シーズンの最重要マッチを見守った。

そんな緊迫感もあってか、立ち上がりはやや固め。それでもオーシャンズが主導権を握っていくと、13分にラファがペピータとのピヴォ当てから先制。“後半戦”の流れを一気に引き寄せていった。

15分、高い位置でキックインを得ると、相手の切り替えの遅れを見逃さなかった八木聖人がゴールを目掛けて縦に走り込む。ヴァルチーニョからの呼吸の合った速めのパスを決めて、2-0。続く16分はヴァルチーニョがFKから直接決めて、3-0。さらに19分、吉川のキックインから蹴られた浮き球を、左サイドで構えていたペピータが“超絶ボレー”で決めて、4-0。圧倒的なゴールショーで試合を折り返した。



「もう1回、ディフェンスを締めて行こう。4点差で終わらず5点目、6点目を取りにいこう!」

ロッカールームで彼らは、そんな声を掛け合った。王者に隙はない。

大分が早々にパワープレーを仕掛けてきたが、吉川がタイミングを見計らったプレスを掛けると、こぼれ球を拾ったヴァルチーニョがパワープレー返しを決めて、5-0。この1点は、大きな意味を持っていた。

「前半の終わりの得点で相手の心を折ることができた気がしますが、後半の最初のパワープレー返しで再度、心を折ることができました」(星龍太)

こうなると、オーシャンズの勢いは止まらない。

28分、相手陣内の中央で八木がパスカットすると、ゴール前のラファへ縦パス。このボールにゴールを背にして迎えたラファが、ダイレクトで左足アウトサイドで回転をかけると、まるで魔法のようなシュートはゴールへと吸い込まれた。「ゴール前にディフェンスが誰もいなかったので、ゴレイロが当りにくるだろうと。なのであの場面はダイレクトで蹴ることを狙っていました」と、スペクタクルなゴールが決まって、6-0。



さらに31分、右サイドの高い位置からのキックインからヴァルチーニョが合わせて、7-0。今シーズン何度も見てきた精度の高いセットプレーが決まり、ヴァルチーニョはシーズン10度目のハットトリックを飾った。

勝敗はもはや決していたが、ここで不運が起きてしまう。

36分に、ヴァルチーニョがこの日2枚目のイエローカードで退場。数的不利になってからも、必死のプレーでしのいでいたものの、完封勝利目前であえなく失点。試合は7-1で終了した。

「毎年のように、プレーオフ第1戦で難しい試合をしてしまい、結果も出ずに第2戦に臨んでいます。決していいことではないですが、慣れてしまっているので『大丈夫だろうな』という気持ちはありました。試合前の長めのミーティングでも、監督は僕の思っていたことをすべて話してくれていました。みんな監督の言葉で気持ちが入ったと思いますし、それもあっていいゲームができました」(吉川)



どんなことがっても、最終的に勝ち切れること。それは間違いなくオーシャンズの強さだ。選手が1年分の喜びを爆発させている姿を眺めていた大分・白方秀和が「悔しいという感情も出ないくらいの完敗」と肩を落としたが、オーシャンズは今シーズンの最重要マッチで、圧倒的な戦いを披露したのだった。

そのことは、表彰式でも証明された。

関口優志、ペピータ、吉川智貴、ラファ、ヴァルチーニョ。ベストファイブはオーシャンズが独占。1クラブから5人全員が選ばれたのは史上初めてのことだ。最優秀選手には、ペピータが選ばれた。

「MVPをいただけたことは嬉しいですが、今日のような難しいゲームに勝てたことの方が重要。少しの間、休んで気持ちをまた切り替えて、次の4冠を狙っていきたい」(ペピータ)

オーシャンズの今シーズンの目標は、最初からクラブ史上2回目の4冠。MVP・ペピータがしっかりと前を向いていたように、選手たちはみな、3月の全日本選手権の優勝を見据えている。

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