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オーシャンズ一筋の守護神。10連覇達成のリベンジのため、篠田龍馬がクラブに抱く想いとは。

2020.06.10

コラム

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名古屋オーシャンズ

「自分は最後の少ししか出られず、悔しい気持ちはありますけどそれが1年間やってきた(監督からの)評価。そこはしっかり受け止めて頑張ってやっていきたいと思います」

バサジィ大分とのプレーオフに勝利し、チームの優勝に喜びつつも決勝ではわずかな時間しかピッチに立つことができなかった。そのため、篠田龍馬はどこか複雑な表情をしていた。

腐ることなく己を磨き続けた


名古屋オーシャンズは昨シーズン、新型コロナウイルスで中止になった全日本選手権を除く3つのタイトルすべてを獲得した。しかし、そのいずれもスタメンでゴールマウスを守ったのはダブル守護神のもう一人、関口優志だった。

本人にとって不完全燃焼だったかもしれないシーズンだが、篠田は過去に多くの困難を乗り越えてきた。

名古屋市出身の篠田は中学卒業後、高知県の明徳義塾高校へ“サッカー留学”をした。当時はサッカーでプロを目指していたが、身長は171cm。キーパーとして身長が足りなかったため限界が見えてしまっていた。

そんなときに、地元・名古屋に国内初のプロフットサルクラブが創設されフットサルでのチャレンジを決意した。

高校3年生の夏休みにセレクションを受験。卒業後の2009年に名古屋オーシャンズサテライトの“一期生”としてオーシャンズの一員に。

その年の第4節で初めてトップチームのベンチ入りを果たすが、当時在籍していた定永久男と川原永光の壁は大きかった。

特別指定選手から外れ、トップチームでもサテライトでも出場できない。そんな長くつらい日々も過ごした。

それでも淡々黙々と、腐ることなく己を磨き続けたことでチャンスが巡ってきた。

2013年の7月に川原がケガをしたことで篠田がフル出場。そのシーズン、プレーオフへ進出したバルドラール浦安を相手に無失点勝利に貢献した。

「うまくいかない時期を抜けて自信を持ってプレーできるようになり、気がついたら『自分の方が絶対にいい』というメンタルを持てるようになりました」

入団当初はフットサルを始めたばかり。右も左もわからない状態でトップチームでは「気を遣いながら、ビビりながら練習をしていた」。だが、リカルジーニョやマルキーニョといった世界的名選手たちと日常を過ごすことでいつしか絶対的な自信をつけていった。

そして、キャリアの転機となる試合を迎える。

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