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第5節 Fリーグ選抜戦マッチレポート「若手への“メッセージ”」

2019.06.24

コラム

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名古屋オーシャンズ

無敵戦隊は、“若手軍団”にも容赦しなかった。

6月23日(日)、Fリーグ2019/2020 ディビジョン1の第5節が行われた。相手はFリーグ選抜。前半で4-0と大差をつけた名古屋オーシャンズは後半にも3得点。圧倒的な実力差を示して7-1で勝利を収めた。

なぜ4点差をつけても手を抜かなかったのか

スコアは開始2分に早速動いた。

Fリーグ選抜の4秒ルール違反により、オーシャンズがゴール正面で関節FKを獲得。吉川智貴が右にボールをズラすと、ペピータが左サイドへ展開。構えていたヴァルチーニョが合わせて冷静にゴールネットを揺らした。

5分、関口優志のロングボールを前線で受けたラファが相手をいなし、最後はループシュートで決めて早々に2点差とする。さらに8分、右サイドをドリブル突破したペピータの折り返しを受けたヴァルチーニョが、得点ランクトップタイとなる今シーズン9点目のゴールを奪って3-0。8分には、ペナルティエリアからのこぼれ球に反応した安藤良平がミドルシュートをたたき込んで、リードを4点に広げて試合を折り返した。



「(これから日本を背負っていく選手たちに)トップのレベルがどれくらい高いのかを教える意味もありました。点差がついたからといって(強度を)落とすのではなく、最後まで実力差を見せつけないといけない」

おごりではなく、あくまでもそれが今の実力差。星龍太がそう話した通り、オーシャンズは前半のうちにほぼ勝負をつけていたが、後半に入っても手を抜くことはなかった。

24分、ヴァルチーニョの落としを受けた吉川がミドルを突き刺すと、31分には、水谷颯真の縦パスを受けた平田ネトアントニオマサノリが得意の反転シュートからゴールを奪取。そして34分、ラファからのラストパスを左サイドの深い位置で受けた西谷良介が、ゴールニア上にトドメの一撃を決めて7点差とした。



37分にカウンターから篠田龍馬の肩口を抜かれたループシュートが唯一の失点となったが、試合は7-1で終了。相手の7本に対して5倍以上の36本のシュートを放つなど、誰の目にも明らかな実力差を見せつけて、オーシャンズはホームで連勝を飾った。

「彼らは、各所属元で出場機会がなかなか得られていなかったわけです。そういう選手が僕らと同じ土俵でリーグを戦えるのが、Fリーグ選抜の大きなメリット。そのなかで各チームは、彼らに実力差を見せつけることが大事です。それを肌で感じることで、彼らが一気に伸びる可能性を秘めていますから」(星翔太)

龍太と同じように、翔太もそう言葉を残した。Fリーグ選抜の現在地と目的地を示す作業は、先輩であり、王者であるオーシャンズの使命。長い目で見たときに、それが日本フットサルのためになるからだ。オーシャンズは、自らが高みを目指すと同時に、そうした責務も背負っている。

最後まで圧倒し続けた戦いぶりは、王者から若手選手たちに向けた“メッセージ”でもあった。

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