INSIDE OCEANS

アジアナンバーワン・プレイヤーにしてオーシャンズを背中で引っ張る男・吉川智貴。愚直に、そしてストイックに成長を欲する。

2020.06.22

コラム

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名古屋オーシャンズ

AFCフットサルクラブ選手権MVP、アジア最優秀選手賞受賞、2年連続2度目のFリーグベストファイブに選出、“フットサル版バロンドール”Futsalplanet Awards 2019にノミネート。

2019年、吉川智貴は一人でこれだけの実績を残した。ストライカーの選手がこういった個人賞を総なめにするケースは多々あることだが、吉川はそういったタイプの選手ではない。

時には攻撃の要として、時には守備の要としてピッチでフル稼働している。そんな彼のプレースタイルは、同じ名古屋オーシャンズの橋本優也や水谷颯真、サテライトの選手から相手選手もお手本にするほどだ。

「若いころは悪いプレーばかりだった」


2017年6月、オーシャンズがリーグ王者に返り咲くべくスペインのマグナ・グルペアから2年ぶりに吉川は日本に戻ってきた。世界最高峰の選手が集まるスペインリーグでは、FCバルセロナを打ち破り、コパ・デル・レイ(国王杯)の決勝の舞台に立った。

決勝戦ではエルポソ・ ムルシアに1-2で敗れ、あと一歩のところで優勝に手は届かなかった。それでも、かつては木暮賢一郎や高橋健介、星翔太らもプレーしたがタイトルにここまで近づいた選手はいなかった。

先日、吉川は自身のTwitterでスペインで過ごしたことを振り返っていた。





スペインに渡る前から驚異的なスタミナをはじめ、パス、トラップ、ディフェンス、フリーランニングなどあらゆる要素が優れていた吉川だが、2年間世界最高峰の舞台で揉まれたことでさらなる成長を遂げた。

「智貴はチームのために攻撃も守備もしてくれます。自分が受けたいところや、どうすれば生きるのかを理解してプレーしてくれています。こちらが出し手になる場合でも、彼はチームで一番フェイクをして何度でも駆け引きしてくれるので、パスを出しやすい。彼とは、みんながやりやすいと感じていると思います」(ペピータ)

ボールを受ける前の吉川の動きに注目すると、相手ディフェンスの視界から消えるために何度も動き直してしてマークをかき乱そうとしている。

「特に若いころは、100パーセントの力を出せていない試合は毎回、すごくへこんでいました。悪いプレーばかりしかできなくて、『なにくそ!』という気持ちで練習していましたね」

吉川が「オールS」と呼ばれる所以は、若手時代の原動力から来ていた。

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