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第32節 ペスカドーラ町田戦マッチレポート「3試合ぶりの勝利」

2020.01.21

コラム

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名古屋オーシャンズ

1月12日(日)、Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 第32節が駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場で行われ、名古屋オーシャンズはペスカドーラ町田に6-2で勝利。3試合ぶりの白星を飾った。

湘南戦から悪い流れを引きずったままだったが……


すでにリーグ1位を確定させているオーシャンズ にとっては“消化試合”だが、前節まででまさかの2連敗。クラブの歴史をさかのぼっても、いまだ3連敗を喫したことはない。絶対に負けられないゲームだった。

そのプレッシャーが選手を突き動かした。前半2分、早速先制する。自陣の深い位置の右サイドをペピータがドリブルで縦突破して、逆サイドの安藤良平へ展開。これを安藤がダイレクトで折り返すと、走り込んだペピータが冷静に決めて、試合の流れを手繰り寄せた。

「立ち上がりは比較的いい入りをして、先制点も取れて主導権を握れていました。ただ、ゲームの中盤あたりからパスミスや2人の関係の息が合わず、その時間帯にストレスを感じてしまった。相手チームにとっては有利な状況を作ってしまいました」(フエンテス監督)



監督がそう振り返ったように、いつものような勢いを出せないオーシャンズ。8分にはカウンターから左サイドを突破され、ゴール前に送られたたボールを、懸命に戻った安藤が押し込んでオウンゴール。その後は主導権を握りながらもゴールを奪えず、同点のまま試合を折り返すことに。第30節の湘南ベルマーレ戦から続く悪い流れを断ち切れないままだった。しかし、彼らはハーフタイムで持ち直す。

「自分たちに矢印を向けずに、ほかのことを意識しているとゲームは壊れてしまう」(安藤)

ロッカールームでは指揮官から厳しい言葉がかけられ、選手間でも話し合いを開いた。自分たちは今、何をすべきなのか。再確認してチーム全員が同じ方向を向けたことが、悪い空気感を打破するきっかけとなった。

迎えた後半、開始46秒に相手ゴレイロの意表を突いた飛び出しから勝ち越し点のアシストを許してしまうが、ビハインドを負ったことは、オーシャンズが慌てる理由にはならなかった。25分、この試合でオウンゴールを献上してしまった安藤が、自らのプレーでミスを取り返す。ハーフウェーライン付近で相手選手に強めに当たってボールを奪取。こぼれ球を拾ったヴァルチーニョがゴールを決めて、2-2の同点に追いついた。

ここからは、いつものオーシャンズだ。

29分、第2PKスポットからやや右の位置でFKを獲得。ボールの前には西谷良介とペピータ。これも、今シーズン何度もゴールを挙げてきた“いつもの”光景だ。西谷がボール方向へと走り込んで蹴る動作から素通りすると、右から走り込んだペピータが強烈な左足でシュート……ではなく、左サイドのヴァルチーニョへ。得点ランキング首位を独走するストライカーは、これをニア上へ突き刺して、チームは逆転に成功した。



32分には橋本優也のゴールで2点差。さらに36分、相手ボールを奪ったペピータがカウンターを仕掛けようとすると、クレパウジ・ヴィニシウスに後ろから抱え込まれてしまうと、この行為で一発退場。オーシャンズは、2分間の数的優位な状況を手にした。このチャンスを生かして、右サイドのペピータが追加点。5-2と勝負を決定的なものにしていたが、オーシャンズは攻撃の手を緩めない。

38分、ヴァルチーニョが右サイドのラファへと大きく展開すると、中央のスペースへと走り込んでいた吉川智貴がフリーで受けて追加点。最後は、相手のパワープレーをしのいで、3試合ぶりの勝利を手にした。

「ここからは技術面の修正よりも、メンタル面の修正が効かなくなる。ここで一度、自分たちのプレーを見直せたのはよかった」(星龍太)

キャプテンがそう振り返ったように、一発勝負のプレーオフは、選手のメンタリティーが何よりも大切になる。そうした意味でも、自分たちの戦いを改めて見直せたこの一戦の価値は大きかった。

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