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第29節 エスポラーダ北海道戦マッチレポート「“ピヴォの八木”が大活躍」

2019.12.21

コラム

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名古屋オーシャンズ

12月15日(日)、Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 第29節が武田テバオーシャンアリーナで行われ、名古屋オーシャンズはエスポラーダ北海道に6−1で勝利した。

ヴァルチーニョとラファ、2人のピヴォが不在


この試合に勝利すればオーシャンズのリーグ戦1位が確定し、プレーオフ決勝へと進める。当然、下位チームであっても手を抜くつもりはない。いつも通り“最強メンバー”で臨だけ──。しかし、今節を前に指揮官の頭を悩ませたのは、ヴァルチーニョとラファが累積警告で出場停止だったことだ。

ただし、実は2人のスコアラーが不在という状況は、今シーズン二度目。第17節のヴォスクオーレ仙台戦では、安藤良平をピヴォとして起用して急場をしのいだ。そしてこの試合は、大ケガから復帰し、日本代表にも招集されて調子を上げている八木聖人をピヴォに抜擢したのだった。

“ピヴォの八木”は、2ndセットで登場。開始1分で1stセットの吉川智貴が先制点を挙げていたことで、八木としても不慣れなポジションで戦うことの不安は軽くなっていた。前線でゴールに背を向けてボールを受けると、西谷良介や橋本優也へとボールを落としてチャンスを演出。守備でも、前から積極的にプレスをかけた。10分には、右サイドの高い位置でボールを奪うと、ゴール前へ走り込んだ橋本にゴールをお膳立てした。



オーシャンズは16分にもペピータのミドルで3点目を奪って、主導権を握ったまま試合を折り返した。すると後半、“ピヴォの八木”が再び大きな仕事をやってのける。21分、自陣でこぼれ球を拾うと、左から右へと斜めに運び、カウンターを開始。最後は右の深い位置で自らシュートを放って、左隅にたたき込む。前線で起点となるだけでなく、本来の持ち味である突破力からも、ゴールを奪ってみせた。

「不慣れな部分はありましたが、周りのみんなのサポートもあって、悪くはなかった」

八木は、昨シーズン終盤、今年3月に右膝外側半月板の損傷で全治6カ月と診断。8月31日の第15節、ボアルース長野戦で復帰を果たしたが、その後しばらくは出場時間も短く、存在感を示せなかった。自身も「限られた出場時間ですし、試合に出たらワンポイントでもアクセントをつけられるように感覚を戻したい」と、控えめなコメントを残していた。そんな“弱気な八木”の姿は、もうどこにもなかった。

スペシャリストが不在でも、代役となる選手が、普段とは異なるポジションでも質の高い仕事ができる。それは、紛れもなくオーシャンズの強さの理由の一つだ。今節は、ピヴォの八木が、自他ともに認める活躍を見せて、チームを勝利へと導いた。

Fリーグ通算200試合を達成した星翔太と、ペピータのゴールで6−0としていたオーシャンズは最後、38分にパワープレーから失点したものの、危なげない試合運びで6-1で勝利を収めた。この結果、4試合を残してリーグ戦1位が確定。2020年1月25日(土)、26日(日)に行われる「プレーオフ決勝」の出場が確定。



「プレーオフに向けて、今取り組んでいるチーム戦術やフィジカルをより磨いて、完璧な状態で臨んでいく」(フエンテス監督)

リーグ3連覇、そして今シーズン最大の目標である4冠達成へ、また一つ、歩みを進めた。

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