INSIDE OCEANS

第2節 ボアルース長野戦マッチレポート「無敵戦隊のゴールショー」

2019.06.04

コラム

  • twitter

  • facebook

PHOTO BY

名古屋オーシャンズ

圧巻のゴールショーだった。

6月2日(日)、Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 第2節でホーム開幕戦を迎えた名古屋オーシャンズは、今シーズンからF1に昇格したボアルース長野を相手にも容赦することなく、8-1で大勝した。試合序盤は、初顔合わせとなった相手の独特な戦術に苦しめられて先制点を与えたものの、前半のうちに逆転。終わってみればシュートは49本を数え、8得点という圧倒的な実力差を見せつけた。

相手監督も認める“無敵戦隊”の強さ



Fリーグが始まって、13回目のホーム開幕戦が行われた。

対戦相手は、今シーズンからF1へと昇格してきたボアルース長野。“絶対王者”としての威厳を見せつけたい名古屋オーシャンズだったが、試合序盤に先制点を与えてしまった。

7分、自陣ゴール前に放り込まれたロングボールは、関口優志がパンチングで処理したが、セカンドボールは不運にも相手のキャプテン・西巻広直に渡ってしまう。西巻がダイレクトで折り返したボールがそのままゴールを割ってしまい、ビハインドを負う展開を招いてしまった。

「(先制されましたが)事故のような失点だったので、気にしてはいませんでした。ボールを保持できていましたし、どう崩すかを仲間と共有しました。慌てることはありませんでした」(安藤良平)

安藤がそう振り返ったように、その後は主導権を握りながら、再三シュートを浴びせていくオーシャンズ。しかし、昨シーズンまでFリーグ選抜でプレーしていた相手ゴレイロ・山田正剛のビッグセーブに遭い、なかなかゴールを奪えない。それでもなお攻勢を強めたオーシャンズは11分、ペピータが右サイドをドリブル突破してチャンスメイク。ゴール前に送られたパスをヴァルチーニョが右足でダイレクトで合わせて同点とした。

オーシャンズのゴールラッシュはここから始まった。

14分、安藤から左サイドの高い位置に動いた平田・ネト・アントニオ・マサノリへ縦パスが送られると、平田はこれをダイレクトでシュート。角度のない場所から見事なゴールが決まって逆転に成功した。さらに18分、ヴァルチーニョがミドルシュートをニア上に突き刺して3-1。2点差をつけて試合を折り返した。

迎えた後半開始からわずか40秒、相手陣内でボールを奪ったペピータがそのまま持ち上がって左足を一閃。強烈なシュートがゴールネットを揺らして3点差とすると、27分には右サイドから中へのカットインシュートを決めて、ペピータの連続得点によって、後半も変わらずにオーシャンズが試合のペースを掌握した。

29分に生まれたヴァルチーニョのこの試合3点目は、圧巻だった。

左サイドのペピータから送られた浮き球のパスを、ドンピシャでバイシクル。ヴァルチーニョはこれでハットトリックを達成するとともに、この豪快な離れ技は、相手の戦意を奪うのに十分だった。35分には、カウンターからヴァルチーニョが4点目のゴールを奪い、勝負は完全に決していた。

 



6点差を少しでも詰めようとパワープレーを始めて猛攻を仕掛けてくる長野に対して、オーシャンズはトップチームデビューとなった鬼塚祥慶をピッチに送り込み、平田、橋本優也、笠井大輝のセットで集中した守備を披露。38分には、パスカットした鬼塚がドリブルで持ち上がり、左の平田、ゴール前の橋本とつないで8点目をゲット。昇格したばかりのチャレンジャーを一蹴し、王者の貫禄を示して試合を終えた。

「選手たちは必死に戦いましたが『無敵戦隊』には歯が立ちませんでした……」

試合後の記者会見で、長野の横澤直樹監督がそう話したほど、明らかな実力差があった。しかし、一方のフエンテス監督は、王者の慢心もおごりも感じさせない、意外な言葉を口にした。

「長野は今まで対戦したことのない相手でした。先制され、最初の10分間は苦戦してしまいました。ですが選手たちが戦い方に適応してくれました」

大差をつけたことではなく、相手の出方を見た上でアジャストして、上回れたことを評価したのだ。とはいえ、相手ゴレイロに多くのシュートを阻まれながら、49本で8得点を挙げた得点力が物語るように、オーシャンズの攻撃力がリーグ最大級の武器であることは間違いない。

勢いに乗ったオーシャンズはこの先、どんなゴールショーを見せてくれるだろうか。

SHARE:

twitter

facebook

TAGs: