INSIDE OCEANS

【退団インタビュー】Fで2年、東海リーグで1年。ブラジル代表歴を持つラファが、日本フットサルに学んだこと、育成年代の“仲間”に伝えたいこと。「常に全力で取り組むことがモチベーションになる」

2020.03.03

インタビュー

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名古屋オーシャンズ

そのプレーで、最初から最後まで、ファンを魅了し続けた。

ラファは、加入初年度の2017/2018シーズンに、いきなりFリーグでMVPを受賞。チームに大きく貢献したことは間違いないが、彼の功績は結果だけでは示せない。奇想天外のアイデア、変幻自在のテクニック。見る者を引きつけ、敵に脅威を与えた。

だから、本人以上に、ファン・サポーターは“あの出来事”に心を痛めた。

MVP受賞から1カ月半後、シーズンを締めくくる全日本選手権決勝の舞台で、右膝前十字靭帯断裂、内側側副靱帯部分断裂、内側半月板損傷。全治1年という、絶望的な大ケガを負ってしまったのだ。

しかし、ラファは帰ってきた。

2年目の大半をリハビリに費やしたが、シーズン終盤には、オーシャンズサテライトで復帰して、育成年代の選手とプレーした。ブラジル代表歴のある選手が、日本のアマチュアリーグを戦う。普通ならそのまま帰国して退団してしまいそうな境遇にあって、ラファは日本フットサルに腰を据えた。それはなぜだったのか。

3月2日、退団リリースの前日に話を聞くと、逆に、日本で学んだこともあったと言い、若い選手との関わりの中で伝えたかった想いもあったのだと言う。プレーも人間性も稀有な存在。偉大なプレーヤーからの、ラストメッセージを伝える。

FリーグMVPは予想していなかった


──オーシャンズを退団。率直にどんな心境でしょうか?

チームにはいろいろなことで支えてもらい、加入する前に考えていた以上の充実した時間を過ごすことができました。文句なしの組織、運営でした。クラブに対しても、日本のリーグに対してもそう感じています。オーシャンズは素晴らしいチームで、レベルが高く、おかげさまで日本の生活にも慣れて、自分にとっては本当に良い3年間でした。

日本を離れるのが少しさびしいですね。

──外国人選手は、最初のシーズンで苦労するケースがよくあります。でも、ラファ選手はMVPを獲得できた。日本フットサルにうまくフィットできない感覚はありました?

大きな悩みはありませんでした。戸惑ったのは、ジャッジにおける微妙な基準の違いくらいです。それは、私だけでなくどの外国人選手も感じると思います。そこについては、多少は頭を悩まされる時期もあったかなと思います。

──FリーグリーグMVP受賞はある意味、想定内だった? 

いえ、予想はしていませんでした。ブラジルでは、得点王や、攻撃的な選手がもらう傾向にあります。最初のシーズンはゴールへの課題を少し感じていて、思うような数字を残せませんでしたから、MVPを期待していなかったので、受賞を知ってうれしかったです。

──では、1シーズン目で最も印象に残っている場面はありますか?

オーシャンカップ2回戦の立川・府中アスレティックFC戦です。1-1のまま、延長戦に入る前に、僕の日本での初ゴールが勝ち越し点になった。すごく気持ちよかったですね。

それまでなかなかゴールが決まらず、正直、焦りもありました。そこからゴールも入り始めて、決勝のバルドラール浦安戦も納得のいくパフォーマンスができました。来日したばかりでしたし、シーズン最初の大会だったので、相手チームのことも、選手の特徴もわからないという、普段とは違った緊張感もありました。でも、そういう日本フットサルを知っていく段階からしっかりプレーできたことがよかった。

当時、ペドロ・コスタ監督から「この選手はこういう傾向がある、この選手はもっと左を切った方がいい」というように、といろいろ指示してもらえたことが今でも印象に残っています。

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