INSIDE OCEANS

「私たちの目標は大きく変わらない」。“コロナ禍”で強制終了した昨シーズンと、幕を開けた新シーズン。フエンテス監督は今、何を思うのか。

2020.05.10

インタビュー

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名古屋オーシャンズ

今もなお、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。危機的で厄災的な事態は「コロナ禍」と呼ばれている。

フットサル界も例外なくその影響を受け、2月にはAFCフットサル選手権の延期と全日本選手権の中止が発表され、突如としてシーズンが終了した。

歯切れの悪いシーズンになったが、フエンテス監督は就任1年目ながら2つの国内タイトル獲得とAFCフットサルクラブ選手権でアジア制覇を成し遂げた。

4月には、新加入選手が発表された。磯村直樹と、アルトゥール。そして、チョンブリ・ブルーウェーブからタイ代表のアム(スパウット・トゥエンクラーン)の移籍も決まった。しかし、彼らとはまだオーシャンアリーナで合流して、一度も全員で練習できたことはない。

5月になった今も、事態の終息は訪れず、オーシャンカップの中止と、リーグ戦の開幕延期が決定。開催日程は、いまだ不透明なままだ。長い間、試合がなく、それどころかボールを使った練習もできない、もっと言えば、チームメートと会えるのはオンラインだけ。選手は何を目指して、何をモチベーションに、前へと進んでいけばいいのか──。

時間は待ってくれない。止まっているように感じても、当然、1日、1日と過ぎていく。

オーシャンズで、その状況と誰よりも向き合う人物の一人が、フエンテスだ。彼自身、感染者20万人超という、世界で特に危機にさらされる母国・スペインに帰ることすらできなかった。でも彼は、立ち向かわないといけない。オーシャンズの指揮官は今、何を思うのか。

プレシーズンでは最初に見直しをする必要がある


──名古屋オーシャンズでの1年目を終えてどんなシーズンにできたと感じていますか?

最後の全日本選手権は残念ながら(新型コロナウイルスの影響で)中止になってしまいましたが、すべてのタイトルを取れたシーズンでした。タイトルだけではなく選手の成長や自分の仕事ぶりを考えても、この新しいクラブで新しい選手たちと素晴らしいシーズンを過ごせたと思います。

──この1年で監督はチームに何を伝えて、何が向上したと感じていますか?

私は継続性と計画的にやっていくことに重きを置いて取り組んでいました。その中で、昨シーズンは自分が求めるところまでインプットでき、チームとしてはピッチでそれを実現できたと感じています。昨シーズンはしっかりとしたベースを作ることができたので新シーズンに向けてはそのベースを保ってブラッシュアップをしていく考えを持っています。

──プレシーズンの段階で昨シーズンの上積みから始められることは大きなメリットになりそうですね。

いえ、プレシーズンではまず、見直しをしなければいけません。基本的にシーズンが始まるときは、時間が空いてしまうので今まで取り組んできたことを忘れてしまったり、自分なりに解釈してしまうことで統一感がなくなることが多いです。4週間なのか8週間もかかるのかは流れを見ながらインプットさせていき、そこからブラッシュアップをしていきます。

──戦術の部分では昨シーズンから取り組んできたことで継続していきたいことと、新シーズンに向けて改善しようとしていることは何がありますか?

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