今シーズンもピッチ上で“助っ人外国人”の存在感を存分に発揮する名古屋オーシャンズのブラジル人トリオ。10試合を終えて彼らは合計39得点。オーシャンズが挙げた70得点の半数以上を決めてきた。

ペピータ、ヴァルチーニョ、ラファ。ピッチ上の攻撃性は、誰もが知るところだろう。では、オフ・ザ・ピッチではどんなキャラクターなのだろうか。改めて、彼らの素顔に迫っていく。

名古屋グランパスのブラジル人選手との意外な交流、苦手としている対戦相手、まもなく始まるAFCクラブ選手権には3人の中から1人だけ誰が帯同するのか。普段は知ることのできない一面は必見だ。

「ペピータは12時まで何を言っても笑わない」

──改めてになりますが、まずは3人それぞれの第一印象はどうでしたか？

ラファ　ペピータとはブラジルでも対戦したことがあるので、オーシャンズに加入する前から知っていました。彼はすごく落ち着いていますね。奥さん同士もいい関係で、食事に行ったり家族ぐるみの付き合いです。

ペピータ　僕もラファのことは知っていました。選手としてはブラジル代表クラスの素晴らしい選手です。Ｆリーグ1年目は、みなさんも知っていると思いますが、いい活躍をしてMVPにも輝きました。残念ながら2年目はケガで出場できませんでしたが、それでも彼がこのスポーツにどれだけ真摯に打ち込んでいるのかを感じられました。だからこそ、今シーズンもいいパフォーマンスを見せていますし、「努力家」だなと。

夜の23時でもジムが使えるならそれまでずっとハードワークをするような選手ですし、日々のトレーニングも積極的に取り組んでいます。家族同士で仲がいいですし、これからもずっとその関係を続けたいです。お互いに出身地が同じなので、サンパウロでも会いたいですね。

ヴァルチーニョ　でも、ペピータは世界で一番、機嫌の悪い人だよね（笑）。朝はテンションが低くて、12時までは本当に機嫌が悪いから。それは半分は冗談だけど、自分もラファと同じように家族同士で仲がいいですね。ペピータとはたとえチームを離れても連絡を取り合って、ずっと友達でいると思います。

ペピータ　ヴァルチーニョはいつもうるさい（笑）。自分としてはライバルでもあるので、ゲームをするときは敵キャラの名前を「ヴァルチーニョ」にして戦っています。グイグイくる性格で、僕の機嫌が悪くても笑わせてきますし、一緒にいてとても楽しいですね。ただ……ヴァルチーニョが住んでいるところはブラジルでも北の方。アマゾンの方なので、なかなか訪れる機会がありません。彼の言うように、ずっと連絡を取り合う関係だと思っていますが、ブラジルで会えるかはわかりませんね（笑）。

ラファ　そうそう、ヴァルチーニョはうるさすぎるくらい。でも心が広くて、とてもフレンドリーなところが彼のいいところです。ヴァルチーニョとはオーシャンズに加入して1年目からすごく仲がいいし、旅行にも行きました。オフの日は一緒にゲームで遊ぶことが多いですね。去年までは、ルイジーニョとこの4人で行動をともにすることが多くて、それがピッチでいい連係を築くことにもつながっていると思います。

ヴァルチーニョ　ラファは、子どもがそのまま大きくなったようだよね（笑）。こういう冗談みたいなことを言い合えることが、仲がいいということでもあるんだけど。個人的には、笑いのツボが似ているので話しやすい。遠征でも部屋が同じで、ピッチ内外で相談できる関係です。ペピータは12時まで何を言っても笑ってくれないから、ラファの方が一緒にいて楽ですね。半分は冗談だけど（笑）。3人の仲はすごくいいですよ。

──ポルトガル語やスペイン語を話せる日本人選手もいますが、やはり3人は関係は特別ですか？

ペピータ　トモキ（吉川智貴）やショウタ（星翔太）はスペイン語を話せますし、仲がいいですね。でも、みんな家族がいますし、プライベートでは彼らの過ごし方もあるので気を遣う面もあります。ブラジル人の場合は、一緒にいることが気にならないので家族同士で仲良くなりやすいんです。ほかにも、マサ（平田ネトアントニオマサノリ）やショウケイ（鬼塚祥慶）、Ｆリーグ選抜のラファ（田淵広史）は、幼い頃に海外にいた経験がありますし、一緒にいることが多い。日本人選手とはみんなと仲がいいですし、いい関係ですけどね。

──オーシャンズ以外にも、名古屋グランパスの選手とも仲がいいですよね。