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第8節 バルドラール浦安戦マッチレポート「今季初の無失点勝利」

2019.07.08

コラム

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「オーシャンズ、磐石にして最強」。そんなフレーズが浮かぶゲームだった。

7月6日(土)、Fリーグ2019/2020ディビジョン1 第8節、バルドラール浦安とのアウェイゲームに臨んだ名古屋オーシャンズは7-0で大勝。今シーズン初めてとなる無失点勝利を収めた。

試合中の適応力で相手を凌駕した


立ち上がりは、出足の早い守備を見せる相手に後手を踏む場面もあったが、4分、星龍太、ペピータ、平田ネトアントニオマサノリ、吉川智貴の2ndセットに交代すると、徐々にペースアップ。左CKからの浮き球をファーで平田がボレーすると、GKがこぼしたボールを左ポスト際の吉川がループでゴールを狙うが、これは惜しくもクロスバーに嫌われてしまう。

その後も圧力をかけ続けていくと、先制点は9分に生まれた。左サイドでCKを獲得すると、ヴァルチーニョが素早くボールをセットして、相手の守備が整う前にパスを送ると、中央で受けたラファがワントラップから左足を一閃。低弾道の鋭いシュートがゴールネットに突き刺さり、オーシャンズにとっては5試合連続となる先制点で流れを引き寄せた。

15分、相手陣内の左サイドで西谷良介が浦安の守備の要・ディドゥダと対峙すると、強烈なプレスでボールを奪取。すぐさまシュートに持ち込んで、ゴレイロが弾いたこぼれ球をヴァルチーニョが押し込み追加点。さらに16分、左サイドの相手のトラップが流れたところで、ボールを奪ったヴァルチーニョが強烈なシュートをたたき込んで3-0。オーシャンズは、相手のミスを確実にゴールに結びつけて試合を折り返した。



前半、オーシャンズは8人を2セットで回した。1つはヴァルチーニョ、ラファ、西谷、安藤良平。もう1つは、平田、ペピータ、吉川、星龍太。後半も最後までこの8人でセットを回したが、セットの組み方は前半とは異なっていた。

前半
1stセット:ヴァルチーニョ、ラファ、西谷良介、安藤良平
2ndセット:平田、ペピータ、吉川智貴、星龍太

後半
1stセット:ヴァルチーニョ、ペピータ、吉川智貴、星龍太(安藤良平)
※星龍太が1分にスネを傷めて安藤と交代
2ndセット:平田、ラファ、西谷良介、星龍太

「今週、練習していたセットが前半の形であり、今日の試合に向けてはそれがバランスがいいと考えていました。ただし、その相手の定位置攻撃をうまく止められずに、守備で苦戦していました。うまく適応できていなかったので後半はセットを変えました」

試合中の適応力。今シーズンのオーシャンズの強さの理由の一つは、相手との戦いのなかで最適解を見つけていけることだろう。分析と監督の戦略に基づく1週間のトレーニングと準備で想定してきたものがあっても、それに固執することなく柔軟に対応しながら、試合中に相手を凌駕して、力量差を示していく。フットサルとは、前後半の「40分間の戦い」である。仮に「前半は良かった」と振り返っても、試合に敗れていたら、それは勝負ができていないことになる。今のオーシャンズは、その意味で圧倒的な強さを誇示している。

後半、25分から相手がパワープレーを仕掛けてきたことで、結果的にこの試合は“終了”した。

守備のメンバーとして、ヴァルチーニョが前線に投入されると、果敢なプレッシングで相手の追い込んでいく。当然、相手はそうやって動いてくるオーシャンズの隙を伺いながらパスを回すわけだが、この試合において、パワープレーの主導権を握っていたのはオーシャンズだった。

中央の底辺を起点にした五角形で攻め込んでくる相手の、相手陣地側の両サイド2人の選手にシュート力とシュート意識が薄いこともあり、オーシャンズにとっては、積極的にプレスを仕掛けることが容易となっていた。というよりもむしろ、ヴァルチーニョを先頭にした守備で圧力を掛けられていたからこそ、相手の判断を後手に回らせることができていた。

26分、ヴァルチーニョがハットトリックとなるパワープレー返しを決めると、29分には、ボールをキャッチした関口優志が、進路をふさぐ相手を左にかわしながら自分で持ち出して、体が流れながら正確なシュートを蹴り込んだ。5-0と、リードをさらに広げることに成功した。さらに33分、相手ゴール前でFKを獲得すると、中央のペピータが左の西谷とつなげて、ファーへのラストパスをラファが決めて6点目。



36分からは、相手がパワープレーのメンバーと配置を変えてミドルレンジにシュート力を持つ選手を置いてきたものの、対応力に優れるオーシャンズの脅威とはならなかった。37分、ボールを奪ったヴァルチーニョが中央からやや右へ流れながらカウンターで駆け上がると、最後は中央左のペピータが決めて試合を締めくくった。7-0。オーシャンズにとっては、意外にも今シーズン初の無失点勝利をつかみ取った。

「7-0という結果は余裕があるように思いますが、内容としては2-0の状況だったというゲームの受け止め方をしています」(フエンテス監督)

水谷颯真、鬼塚祥慶、笠井大輝、それに星翔太が1秒も出場しなかったのは、フエンテス監督がこの試合の展開を考えた上での決断だったという。確かに、序盤の相手のリズムに苦戦するシーンを見せていた。しかしその後は、まったく危なげのない進め方で、確実に勝利を手にした印象だった。だからこそこの一戦は、「磐石」という言葉がピッタリとハマるゲームだった。

展開に応じた戦略の変更はピッチの選手に任せて、流れを変えてしまうリスクのある選手変更を避けた“石橋をたたいて渡る”戦いぶり。それでいて、相手の隙を逃さずに突いて、メンタルを砕く見事な決定力を見せた。相対する相手に、「オーシャンズ、磐石にして最強」を強く印象づけた一戦だった。
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