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舞野隼大
「トップチームで活躍したい」
新田駿が名古屋オーシャンズでプレーを始めたのは12歳のこと。オーシャンズU-12でフットサルを始めてからの8年間で、着実に実力を伸ばしていった。
そして2019年2月9日、名古屋オーシャンズのトップでFリーグデビューを飾った。
しかし、トップチームでの出場はその1試合だけ。新田は今シーズン、Fリーグ選抜で戦うことを選んだ。最終節では、オーシャンズを翻弄するようなゴールのアシストも記録したが、彼のなかでくすぶる気持ちは日に日に大きくなっていった。そして決定的な試合に直面する。
バサジィ大分とのプレーオフ決勝。オーシャンズの試合をスタンドで見た新田は心を決めた。
「Fリーグから退く」
その決断は、揺るがなかった。22歳という年齢を考えれば、ここからが勝負のはずだ。トップチームで活躍する日はきっとやってくるはずだ。だが、新田はオーシャンレッドのユニフォームを脱ぐ。
早すぎる決断。その裏で新田は、何を考えてきたのか──。
──昨シーズン終盤にトップで出場を果たし、今シーズンはFリーグ選抜で経験値を上げて、まさにこれからというタイミングだったと思います。オーシャンズのトップチームを目指していたなかで、どうしてサテライトを退団することに決めたのでしょうか?
僕の夢は、名古屋オーシャンズのトップチームで活躍できる選手になることでした。U-12の頃からずっとオーシャンズでフットサルをしてきて、サテライトに入ってからの3年間と、Fリーグ選抜でプレーした1年間で、自分にはそこに行く実力がないと感じてしまった。そう思ってしまった時点で、負けていたのかなという気持ちになっていたところがすごくありました。
──つまり、Fリーグから離れる決断ということ。
はい。決して、Fリーグに魅力がないとか、この先、フットサルを続けていくことに不安があるということではないです。純粋に、自分の実力を考えて決めたこと。Fリーグは本当に魅力のある場所だと思いますし、戦える選手が簡単にやめていくような場所ではないと思っています。
──そうなんですね……。「実力がない」と感じるようになったのはいつ頃ですか?
サテライトに入団してすぐの頃にトップの練習に呼んでもらったことがあって、そこで最初にトップチームの壁にぶつかりました。「とんでもない世界だな」と驚いてしまって、一緒に戦っている日本人選手もすごくポテンシャルが高かった。ここまで上がっていくのは本当に大変だろうな……と、1年目にして感じていました。
ですが、それでも頑張ろうと思って、Fリーグ選抜で戦うことを決めました。この1年は、金井(一哉)監督と高橋(優介)コーチから、2人組の関係やフットサルの深い部分について細かく教えてもらいました。自分が目指す選手像は吉川(智貴)選手や西谷(良介)選手でしたが、そういう深い部分を学んだ上で、レベルの違いを感じてしまいました。
──その2人はまさに日本人選手の最高峰ですよね。プレーオフ決勝でも異彩を放っていた。
プレーオフ決勝はスタンドから見ていましたが、あの2人は群を抜いてすごかった。あの試合を見ていて「もう無理だ……」と、強く感じた。それくらい強烈なプレーを見せつけられたので、後悔もなくスパッと決断できたのだと思います。
新田駿が名古屋オーシャンズでプレーを始めたのは12歳のこと。オーシャンズU-12でフットサルを始めてからの8年間で、着実に実力を伸ばしていった。
そして2019年2月9日、名古屋オーシャンズのトップでFリーグデビューを飾った。
しかし、トップチームでの出場はその1試合だけ。新田は今シーズン、Fリーグ選抜で戦うことを選んだ。最終節では、オーシャンズを翻弄するようなゴールのアシストも記録したが、彼のなかでくすぶる気持ちは日に日に大きくなっていった。そして決定的な試合に直面する。
バサジィ大分とのプレーオフ決勝。オーシャンズの試合をスタンドで見た新田は心を決めた。
「Fリーグから退く」
その決断は、揺るがなかった。22歳という年齢を考えれば、ここからが勝負のはずだ。トップチームで活躍する日はきっとやってくるはずだ。だが、新田はオーシャンレッドのユニフォームを脱ぐ。
早すぎる決断。その裏で新田は、何を考えてきたのか──。
自分の実力を考えて決めたこと
──昨シーズン終盤にトップで出場を果たし、今シーズンはFリーグ選抜で経験値を上げて、まさにこれからというタイミングだったと思います。オーシャンズのトップチームを目指していたなかで、どうしてサテライトを退団することに決めたのでしょうか?
僕の夢は、名古屋オーシャンズのトップチームで活躍できる選手になることでした。U-12の頃からずっとオーシャンズでフットサルをしてきて、サテライトに入ってからの3年間と、Fリーグ選抜でプレーした1年間で、自分にはそこに行く実力がないと感じてしまった。そう思ってしまった時点で、負けていたのかなという気持ちになっていたところがすごくありました。
──つまり、Fリーグから離れる決断ということ。
はい。決して、Fリーグに魅力がないとか、この先、フットサルを続けていくことに不安があるということではないです。純粋に、自分の実力を考えて決めたこと。Fリーグは本当に魅力のある場所だと思いますし、戦える選手が簡単にやめていくような場所ではないと思っています。
──そうなんですね……。「実力がない」と感じるようになったのはいつ頃ですか?
サテライトに入団してすぐの頃にトップの練習に呼んでもらったことがあって、そこで最初にトップチームの壁にぶつかりました。「とんでもない世界だな」と驚いてしまって、一緒に戦っている日本人選手もすごくポテンシャルが高かった。ここまで上がっていくのは本当に大変だろうな……と、1年目にして感じていました。
ですが、それでも頑張ろうと思って、Fリーグ選抜で戦うことを決めました。この1年は、金井(一哉)監督と高橋(優介)コーチから、2人組の関係やフットサルの深い部分について細かく教えてもらいました。自分が目指す選手像は吉川(智貴)選手や西谷(良介)選手でしたが、そういう深い部分を学んだ上で、レベルの違いを感じてしまいました。
──その2人はまさに日本人選手の最高峰ですよね。プレーオフ決勝でも異彩を放っていた。
プレーオフ決勝はスタンドから見ていましたが、あの2人は群を抜いてすごかった。あの試合を見ていて「もう無理だ……」と、強く感じた。それくらい強烈なプレーを見せつけられたので、後悔もなくスパッと決断できたのだと思います。