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名古屋オーシャンズ
名古屋オーシャンズはなぜ強いのか?
相対するチームに問いかけると「技術」、「環境」に続いて、必ずこの単語が出る。
フィジカル──。
例えば、オーシャンズが20分間で後手を踏んでも、40分間を通して上回られることはほとんどない。シーズンを通してということであればなおさら。それはすべて、結果が証明している。フィジカルコンディションという点でも、オーシャンズは他を凌駕し続けているのだ。
では、彼らのフィジカルの秘密は、どこにあるのか。
その答えの一つが、フィジカルコーチ、ナチョの存在だったことは間違いない。ペドロ・コスタ監督時代の2017シーズンに就任して以来、3年間、選手の体を支えてきた。
そんなナチョが、今シーズン限りで退任する。彼は、日本で過ごした3シーズンで、選手とどのように向き合い、クラブに何をもたらしたのか。オーシャンズがアジア、その先にある世界の頂点を狙うために不可欠な要素、フィジカルを整えてきたナチョのラストメッセージを聞いた。
──今シーズン限りでの退団となりました。来日したのは2017年のことでしたね。
3年前、私がクウェート代表のフィジカルコーチだったときに、代理人から「次はキミが望むようなクラブで仕事ができるよ」と連絡をもらいました。それが、オーシャンズでした。アジアでナンバーワンになるほどのビッククラブという印象を持っていましたし、すぐに決断できました。
──当時はペドロ・コスタ監督とのコンビでした。
コスタは、選手から監督になったので、彼のことをもともと知っていました。やはり、キャリアも素晴らしいものでしたし、選手の気持ちやチームのことを誰よりも把握されていましたね。加えて、現代フットサルを深く理解しているということを感じていました。彼とは何でも相談できる関係でした。
──最初はどのような狙いを持って取り組まれていたのでしょうか?
1年目は適応期間に充てていましたが、一番難しいシーズンになりました。基本的には、プレシーズンにベースを作り、シーズン中も刺激を加えるフィジカルトレーニングをしていくという考え方です。ですが、そのシーズンは、途中でベースそのものを作り直す期間を設けました。高めたフィジカルの低下を防ぎ、維持することと、強度を上げてピークを作ることがコンセプトだったので、選手も戸惑いがあったようでした。体力的にもキツかったと思いますし、選手にとっては、プレシーズンが8カ月くらいあると感じたはずです。
──ベース作りに時間を割いたんですね。
はい、私のメソッドを急に入れたことで疲労もあったと思いますが、長い目で考えたときにそうすることが必要でした。私は、トレーニングにおいて高い強度を求めますから、実際には選手と衝突することもありましたね。そういうときは、細かく話し合いましたし、きちんと理解してもらうことを重視して取り組んでいました。
──選手としては、今まで求められていたこととは違ったということ。
例えば、今までは、試合で高い強度のパフォーマンスを出すことを考えて1週間の調整をしていました。ですが私は、試合で高い強度を出すためには、練習でも同じくらい高い強度を出さないとフィジカルを伸ばすことはできないという考え方です。もちろん、休むことも大事にしています。
──そもそも……フットサルにおける「フィジカル」とはどういったことを指して、どのような選手が「フィジカルが優れている」とされるのでしょうか?
相対するチームに問いかけると「技術」、「環境」に続いて、必ずこの単語が出る。
フィジカル──。
例えば、オーシャンズが20分間で後手を踏んでも、40分間を通して上回られることはほとんどない。シーズンを通してということであればなおさら。それはすべて、結果が証明している。フィジカルコンディションという点でも、オーシャンズは他を凌駕し続けているのだ。
では、彼らのフィジカルの秘密は、どこにあるのか。
その答えの一つが、フィジカルコーチ、ナチョの存在だったことは間違いない。ペドロ・コスタ監督時代の2017シーズンに就任して以来、3年間、選手の体を支えてきた。
そんなナチョが、今シーズン限りで退任する。彼は、日本で過ごした3シーズンで、選手とどのように向き合い、クラブに何をもたらしたのか。オーシャンズがアジア、その先にある世界の頂点を狙うために不可欠な要素、フィジカルを整えてきたナチョのラストメッセージを聞いた。
トモキはフットサルにふさわしいフィジカルの持ち主
──今シーズン限りでの退団となりました。来日したのは2017年のことでしたね。
3年前、私がクウェート代表のフィジカルコーチだったときに、代理人から「次はキミが望むようなクラブで仕事ができるよ」と連絡をもらいました。それが、オーシャンズでした。アジアでナンバーワンになるほどのビッククラブという印象を持っていましたし、すぐに決断できました。
──当時はペドロ・コスタ監督とのコンビでした。
コスタは、選手から監督になったので、彼のことをもともと知っていました。やはり、キャリアも素晴らしいものでしたし、選手の気持ちやチームのことを誰よりも把握されていましたね。加えて、現代フットサルを深く理解しているということを感じていました。彼とは何でも相談できる関係でした。
──最初はどのような狙いを持って取り組まれていたのでしょうか?
1年目は適応期間に充てていましたが、一番難しいシーズンになりました。基本的には、プレシーズンにベースを作り、シーズン中も刺激を加えるフィジカルトレーニングをしていくという考え方です。ですが、そのシーズンは、途中でベースそのものを作り直す期間を設けました。高めたフィジカルの低下を防ぎ、維持することと、強度を上げてピークを作ることがコンセプトだったので、選手も戸惑いがあったようでした。体力的にもキツかったと思いますし、選手にとっては、プレシーズンが8カ月くらいあると感じたはずです。
──ベース作りに時間を割いたんですね。
はい、私のメソッドを急に入れたことで疲労もあったと思いますが、長い目で考えたときにそうすることが必要でした。私は、トレーニングにおいて高い強度を求めますから、実際には選手と衝突することもありましたね。そういうときは、細かく話し合いましたし、きちんと理解してもらうことを重視して取り組んでいました。
──選手としては、今まで求められていたこととは違ったということ。
例えば、今までは、試合で高い強度のパフォーマンスを出すことを考えて1週間の調整をしていました。ですが私は、試合で高い強度を出すためには、練習でも同じくらい高い強度を出さないとフィジカルを伸ばすことはできないという考え方です。もちろん、休むことも大事にしています。
──そもそも……フットサルにおける「フィジカル」とはどういったことを指して、どのような選手が「フィジカルが優れている」とされるのでしょうか?
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