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舞野隼大
4月1日に名古屋オーシャンズから発表されたリリースは、大きな話題を呼んだ。それは決してエイプリルフールのネタではなく、紛れもないビッグニュースだった。
アルトゥールが、オーシャンズに加入することになったのだ。
2015年に来日して以来、彼は、オーシャンズの脅威であり続けた。10連覇を阻止された2016/2017シーズンを始め、何度も苦しめられた。Fリーグ通算136試合・116得点という数字は、彼が最後方の選手だということを忘れさせてしまう。ボールのあるなしにかかわらず、攻守のキーマンであり、勝負強く、まさにスーパーな選手。複数年にわたって結果を残してきたという意味でも、Fリーグ史上最高のブラジル人フィクソと言えるのではないだろうか。
さらに、クラブの発表には「日本国籍取得後にFリーグ登録を行う予定となっております」と記されていた。つまり、アルトゥールは現在、帰化申請中であり、「日本人選手」としての出場を目指す。
アルトゥールはなぜ、オーシャンズにやってきたのか。なぜ、日本国籍を求めるのか。
そして日本代表を、目指すのか。
一度、A代表で日の目を浴びてしまえば、二度と祖国の代表ユニフォームに袖を通せない。かつて、U-20ブラジル代表候補に選出されたアルトゥールは、セレソンと日本を天秤にかけて、何を思ったのか。「オーシャンズのアルトゥール」を直撃した。
──アルトゥール選手のオーシャンズへの加入はとても驚きました。
まず、自分が日本に来たところから振り返っていくと、シュライカー大阪という素晴らしいクラブで、素晴らしい5年間を過ごすことができました。大阪ではタイトルも獲得できましたし、日本のフットサル界の歴史に刻まれるような活動ができたという実感があります。
日本に来てから、タイトル獲得以外に目標にしていたのが、名古屋オーシャンズでプレーすることでした。そしてそれは今、実現しました。さらに高い目標を抱いてチームに貢献したいです。
──どういったプレーで貢献したいと考えていますか?
自分の特徴が大きく変わるわけではないので、自分の良さを前面に出していきたいです。オーシャンズには、素晴らしい特徴を持った選手が勢ぞろいしています。素晴らしい施設もありますし、フットサルに専念できる環境が整っている。僕自身、さらに成長するための努力を重ねていきたい。自分のためにも、監督のためにも、仲間のためにも、新たなオプションを作れるような選手になっていきたいです。
──日本国籍を取得するまでは、サテライトでプレーするそうですが、若い選手には何を伝えたいですか?
そこについても、新しいチャレンジと捉えています。長く日本で過ごしてきたので、言葉の壁や文化の違いにも慣れてきました。夢を持ち続けて、努力を重ねていけばかなうという、自分がまさに経験してきたことを伝えていきたいですね。堂々と話し合えるような関係を築きたいです。
──大阪でも、サテライトの選手と一緒に練習していたそうですね。
そうです。大阪は1部練習でしたから、自分のコンディションを上げるためにサテライトのトレーニングに交ざっていました。若さとスピードという、トップチームとは違う特徴があり、いろいろな学びがありました。オーシャンズのサテライトでは、伝える側としてうまく取り組んでいきたいです。「勝ちたい!」という想いが強く出すぎてしまうかもしれないですが(苦笑)。
──日本国籍取得について、もう少しお話を聞かせてください。来日前は、何年かプレーしてブラジルに戻るつもりだったのか、それとも、日本で長い期間プレーしようとしていた?
海外で長い間チャレンジして、適応できれば生涯その国で過ごすことも考えていました。ブラジルではある程度のレベルへいけたと感じていて、新しいチャレンジを求めているときに日本からのオファーが届きました。今もそうですが、日本に行く決断をしたとき、ブラジルでは社会的な問題があり、経済もいい状態ではなかった。ブラジルのフットサルにも厳しい影響が出ていました。そういったこともあって、海外への挑戦を考えていました。
──日本人になることを、いつから考えたいたのでしょう?
日本で5年間過ごしていますが1、2年目の頃からそういう考えはありました。大阪では、チームだけでなく、地元の方々なども、みなさん温かく受け入れてくれました。この国の文化に触れ合うことで日本が好きになって、帰化したいという考えになったんです。
それで、奥さんとも相談をして、帰化に向けて動き出しました。この決断に対しては何も後悔していません。むしろ、幸せに思っています。以前はブラジルにいる家族を思い出してさびしくなることはありましたけど、家族と会うことは自分の一番の目標ではないですからね。
今シーズンのオフはブラジルに帰らないと、家族で決めていました。それは「日本が好きで、帰らなくても大丈夫」という決意表明のようなものでもあります。
──奥さんの反応はどうでしたか?
奥さんも僕と同じ考えで、喜んでくれていますし、サポートもしてくれています。大阪と名古屋では人のキャラクターも少し違うと聞いているので、そういうことも楽しみです。名古屋の人や街、文化と触れ合うことで、人生の経験をさらに積んでいきたいです。
──ブラジル代表も目指せるなかで、日本人を選択することに迷いはなかった?
アルトゥールが、オーシャンズに加入することになったのだ。
2015年に来日して以来、彼は、オーシャンズの脅威であり続けた。10連覇を阻止された2016/2017シーズンを始め、何度も苦しめられた。Fリーグ通算136試合・116得点という数字は、彼が最後方の選手だということを忘れさせてしまう。ボールのあるなしにかかわらず、攻守のキーマンであり、勝負強く、まさにスーパーな選手。複数年にわたって結果を残してきたという意味でも、Fリーグ史上最高のブラジル人フィクソと言えるのではないだろうか。
さらに、クラブの発表には「日本国籍取得後にFリーグ登録を行う予定となっております」と記されていた。つまり、アルトゥールは現在、帰化申請中であり、「日本人選手」としての出場を目指す。
アルトゥールはなぜ、オーシャンズにやってきたのか。なぜ、日本国籍を求めるのか。
そして日本代表を、目指すのか。
一度、A代表で日の目を浴びてしまえば、二度と祖国の代表ユニフォームに袖を通せない。かつて、U-20ブラジル代表候補に選出されたアルトゥールは、セレソンと日本を天秤にかけて、何を思ったのか。「オーシャンズのアルトゥール」を直撃した。
オーシャンズでプレーすることが夢だった
──アルトゥール選手のオーシャンズへの加入はとても驚きました。
まず、自分が日本に来たところから振り返っていくと、シュライカー大阪という素晴らしいクラブで、素晴らしい5年間を過ごすことができました。大阪ではタイトルも獲得できましたし、日本のフットサル界の歴史に刻まれるような活動ができたという実感があります。
日本に来てから、タイトル獲得以外に目標にしていたのが、名古屋オーシャンズでプレーすることでした。そしてそれは今、実現しました。さらに高い目標を抱いてチームに貢献したいです。
──どういったプレーで貢献したいと考えていますか?
自分の特徴が大きく変わるわけではないので、自分の良さを前面に出していきたいです。オーシャンズには、素晴らしい特徴を持った選手が勢ぞろいしています。素晴らしい施設もありますし、フットサルに専念できる環境が整っている。僕自身、さらに成長するための努力を重ねていきたい。自分のためにも、監督のためにも、仲間のためにも、新たなオプションを作れるような選手になっていきたいです。
──日本国籍を取得するまでは、サテライトでプレーするそうですが、若い選手には何を伝えたいですか?
そこについても、新しいチャレンジと捉えています。長く日本で過ごしてきたので、言葉の壁や文化の違いにも慣れてきました。夢を持ち続けて、努力を重ねていけばかなうという、自分がまさに経験してきたことを伝えていきたいですね。堂々と話し合えるような関係を築きたいです。
──大阪でも、サテライトの選手と一緒に練習していたそうですね。
そうです。大阪は1部練習でしたから、自分のコンディションを上げるためにサテライトのトレーニングに交ざっていました。若さとスピードという、トップチームとは違う特徴があり、いろいろな学びがありました。オーシャンズのサテライトでは、伝える側としてうまく取り組んでいきたいです。「勝ちたい!」という想いが強く出すぎてしまうかもしれないですが(苦笑)。
「この決断に後悔はない。むしろ幸せに思う」
──日本国籍取得について、もう少しお話を聞かせてください。来日前は、何年かプレーしてブラジルに戻るつもりだったのか、それとも、日本で長い期間プレーしようとしていた?
海外で長い間チャレンジして、適応できれば生涯その国で過ごすことも考えていました。ブラジルではある程度のレベルへいけたと感じていて、新しいチャレンジを求めているときに日本からのオファーが届きました。今もそうですが、日本に行く決断をしたとき、ブラジルでは社会的な問題があり、経済もいい状態ではなかった。ブラジルのフットサルにも厳しい影響が出ていました。そういったこともあって、海外への挑戦を考えていました。
──日本人になることを、いつから考えたいたのでしょう?
日本で5年間過ごしていますが1、2年目の頃からそういう考えはありました。大阪では、チームだけでなく、地元の方々なども、みなさん温かく受け入れてくれました。この国の文化に触れ合うことで日本が好きになって、帰化したいという考えになったんです。
それで、奥さんとも相談をして、帰化に向けて動き出しました。この決断に対しては何も後悔していません。むしろ、幸せに思っています。以前はブラジルにいる家族を思い出してさびしくなることはありましたけど、家族と会うことは自分の一番の目標ではないですからね。
今シーズンのオフはブラジルに帰らないと、家族で決めていました。それは「日本が好きで、帰らなくても大丈夫」という決意表明のようなものでもあります。
──奥さんの反応はどうでしたか?
奥さんも僕と同じ考えで、喜んでくれていますし、サポートもしてくれています。大阪と名古屋では人のキャラクターも少し違うと聞いているので、そういうことも楽しみです。名古屋の人や街、文化と触れ合うことで、人生の経験をさらに積んでいきたいです。
──ブラジル代表も目指せるなかで、日本人を選択することに迷いはなかった?